2021/8/4

【3分解説】企業に課徴金。「薬機法の改正」を知っていますか?

ジャーナリスト
一部で「抜け穴だらけ」とも揶揄(やゆ)されていた「医薬品医療機器法(薬機法)」が8月1日に改正された。
この法律を今回改正する目的の一つは、「飲んだらやせる」や「シミが消えました」など、広告における虚偽や誇大広告を防ぐことを強化するためだ。
こうした広告内の表現については、改正前でも薬機法違反に問われる可能性は高い。
しかし、違反しても刑事罰の対象にはなるものの、行政による処分は、広告是正の行政指導などしかなかった。
今回改正された薬機法では、企業を中心に広告の規制がさらに強化される。その背景や影響などを3分で解説する。
INDEX
  • 「アフィリエイト」のトラブル増
  • 改正で「課徴金」導入
  • 課徴金の対処は「企業」
  • 悪質企業を排除できるか
  • 「ステラ漢方事件」の衝撃

「アフィリエイト」のトラブル増

まず、薬機法の基本をおさらいする。
薬機法は「医品医療」の略称で、その目的は、医薬品や医療機器などの品質や有効性などを確保することだ。
この法律は、近年話題になっている医薬品や医療機器の広告表現についても規制している。
(写真:eyecrave/iStock)
例えば、以下のような文言で、虚偽・誇大広告による消費者トラブルの増加があるとも一部では言われている。
  • 飲んだらやせる
  • シミが消えました
  • 血圧が下がった
  • あなたの理想のバストに確実に近づけます
  • 免疫力を高める作用があります
  • 昔から中国では「不老長寿の生薬」として珍重されてきました
特に「アフィリエイト広告」と呼ばれる、成果報酬型モデルのインターネット広告でトラブルが増えている。
アフィリエイト広告の中で虚偽・誇大表現が多いのは、商品説明が体験談風に書かれている「LP(ランディングページ)記事」と呼ばれている記事だ。
(撮影:板垣 聡旨)

改正で「課徴金」導入

今回の改正による大きな変化は、行政処分として課徴金が新たに設けられたことだ。これによって、厚生労働省はより迅速に誇大広告に対処できるようになる。