[ワシントン 2日 ロイター] - 国際通貨基金(IMF)が2日に公表した年次「対外セクター報告書 (ESR)」によると、2020年は新型コロナウイルス禍を受け、それまで安定的に縮小してきた世界的な経常収支不均衡が拡大に転じた。景気支援策の導入を受けた先進国の赤字急拡大に加え、原油需要の急減などが背景にあるとしている。

IMFによると、経常赤字と経常黒字の合計額の世界的な総生産に対する割合は20年が3.2%と、19年の2.8%から拡大。21年は3.4%近辺まで拡大するとの見通しを示した。ただその後は、米国などの先進国の赤字が減少し、通商が正常化するに従い、2.5%近辺に低下するとした。

このほか準備通貨について、20年初旬の新型コロナ感染拡大開始時に上昇したものの、前例のない政府支援策や新型コロナワクチン配布を巡る報道などを受け、同年3月中旬以降は下落したと報告。ただ、米国の経済ファンダメンタルズを踏まえると、ドルは約8.2%過大評価されているとした。