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ソニーがコロンビアピクチャーズを買収したのが1989年だと思うと業界の歴史自体は長い。しかしビジネス界に広く浸透するようになったのが大体20年くらい前だろうか。M&Aという言葉が紙面で踊らない日はないといえるくらい就職活動中の学生ですら面接で言及するようになった。
クロスボーダーM&Aを手掛けていた身としては、日本企業の海外進出と日本市場を魅力的であると判断してくれたこの一歩は大きく感じる。価格も投資銀行が投資銀行を買収する案件にらしくプレミアムの相場も平均ど真ん中で刺し、株価変動があっても完遂されるであろう水準。
ミッドマーケットのプロが介入することで日本を支える中小企業変化が及ぶことを期待したい。
元々オリックスの子会社だった時期もあり、その関係もあってか日本への進出も早く、ソフトバンクのFAなど日本企業の実績も相応にあります。
また中堅クラスのディールを得意とする投資銀行としてアドバイザリーの品質には定評があり、品質に強いこだわりを持っているGCAとの相性も良さそうです。
GCAとは前職時代にどちらが先に日本初のM&A専門会社としてIPOを果たすかを競い(3日差で負けましたw)、その後は仲介とFA、国内と海外で完全に住み分けて、特に海外の仕事では本当に色々とお世話になりました。
社長の渡辺さんは日本のM&Aの草分け的な存在であるとともに、趣味人でもあり、特にサックスがお上手で、私も一緒にバンドでセッションをしたこともあります。
そしてもう一人の創業者でいらっしゃる佐山先生はNPの方なら皆ご存知ですよね。
いずれにせよ、国内資本では唯一のクロスボーダーを主とするM&AブティックだったGCAが海外ブティックの傘下となったことで、独立系グローバルM&Aブティックは姿を消しました。
買収したフーリハン・ローキーが、昔オリックスが買収した会社だったことを考えると、今度は逆の立場になるのも時代だと言えるかもしれません。
折しも今日、国内のM&A仲介・FAアドバイザーの登録制度が経済産業省から発表となり、今までほとんど規制がなかったM&Aアドバイザリーについても一定のガイドラインが引かれるようになりました。
その意味でM&A業界にとって1つの時代が終わり、新しい時代に突入した象徴的なディールなのかもしれませんね。
TOBに乗り出すとされているHoulihan Lokeyは、上場している独立系のアドバイザー。ソフトバンクGのWeWorkの財務再編などのアドバイザーもしていた。そのころと比べて時価総額が約2倍になっている。元はオリックスが投資していた企業。
https://newspicks.com/news/4304590
GCAは19年末で約450人いたようですが、外資系の投資銀行でこの規模をもってるところはなかなかないので、一気に勢力図が変わりますね。
https://www.gcaglobal.co.jp/about-gca/who-we-are/
コロナ後を見据えて、事業再生ファンドの活動も活発になってきました。ターゲットになる側の日本企業からするとファンドによる投資だけでなくM&Aの選択肢も当然必要で、この辺りマクロで見ると面的な動きになり、厚みも増してきたと感じています。
ただ和製M&Aブティックの代表格であるGCAが外資傘下になるのは少し寂しい。