[香港/ロンドン 2日 ロイター] - 英銀大手HSBCが2日発表した2021年上半期決算は、税引前利益が2倍以上に増加した。前年同期は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)に関連して巨額の引当金を計上し、業績が低迷していた。

税引前利益は108億ドルとなり、アナリスト15人の予想平均値94億5000万ドルを上回った。前年同期は43億2000万ドルだった。

2大市場である香港と英国での景気回復に後押しされ、配当金の支払いを再開。不良債権引当金7億ドルを放出した。前年同期には69億ドルの引当金を計上していた。

一方、収入は低金利の影響で4%減少した。

HSBCは、経済が予想以上に回復し、世界的に明るい見通しが立っていることから、貸し倒れ損失は中期的な予測である融資残高の0.3─0.4%を下回ると予想。

年間では、以前に計上した引当金を差し引きで放出する可能性もあるとしながらも、政府の支援プログラムやワクチンの普及、コロナ変異株の影響などが不透明であるため、断言はできないとした。

イングランド銀行(英中銀)が先月、配当規制を撤廃したことを受けて、同行は1株当たり0.07ドルの中間配当を予定している。