2021/8/3

【スタンフォード発】AIが変える「オンライン大学」の未来

The New York Times

INDEX

• 驚くほど鋭い「AI採点」
• 大量の「個別指導」が可能に
• 10年分のテスト結果から学習
• 人間のフィードバックと遜色なし
• 作文の採点にも応用
• AIと教師の「共生」の時代

驚くほど鋭い「AI採点」

この春、スウェーデン南部に住むフィリップ・ファム（23）は、スタンフォード大学が開講したオンラインクラス「Code in Place」を受講した。コンピュータプログラミングの基礎を学ぶクラスで、148カ国から1万2000人を超える受講者が参加した。

学び始めてから4週間目、ファムは最初のテストを受けて、モノクロの格子模様の上に、小さな青いダイヤモンドで波を描くプログラムを書いた。数日後、彼が書いたコードに対する詳しい講評とともにテスト結果が届いた。

その講評は、彼のプログラムを称賛しつつも間違いを正確に指摘していた。「小さなミスが1カ所あるようです。おそらく、あなたは3つ目の波を描いた後に、壁にぶつかったのでしょう」

まさにファムが必要としていたフィードバックだった。そして、それはなんとロボットからの指摘であった。そのオンラインクラスでは、テストを受けた全員にAIがフィードバックを送っていたのだ。

（David Butow/Corbis via Getty Images）

コメント

注目のコメント

• 佐藤 元則

  NCB Lab. 代表

  ・2021年08月03日

  AIの活用でここまできめ細かな教育指導ができるようになったとは。世界的に実用化が進めが、先生たちの負担が減って、パーソナルな個別指導に力が入れられますね。
  
  医療の世界では、すでに医師や医療チームをAIがサポートしています。
• 橋本 賢二

  キャリア教育研究家

  ・2021年08月03日

  プログラミングという過程を把握しやすい講座なので、AIが真価を発揮しているのだと思います。
  倫理や政治的な価値判断を題材とする講座の場合には、AI採点はまだまだ難しいのではないでしょうか。
  
  とはいえ、良質なデータの量が力につながる世界で、世界中から学生がエントリーするコンテンツ力は、大学界でGAFA並みの破壊力を持つ可能性があると感じました。
• Kato Jun

  ユーザベース SPEEDAアナリスト

  ・2021年08月03日

  答えがあったり、やり方を教える領域では、機械が果たす役割は圧倒的に大きくなっていくと思う。最大の障壁は、親・先生の価値観だと思う。
  ただ教育は、何かを解けるようになるだけでなく、その過程を通じたコミュニケーションや周囲との協力、そのなかで個々人のやりがいを見つけていく側面が中長期的には大きいと思っている。そういう経験を蓄積するために、クラスや先生の存在は重要だと思うし、そこにより時間が割けるような進化になってほしい。また高等教育は異なる部分が多いと思う。