2021/8/22

【解説】知られざるメディアの巨人「レッド・ベンチャーズ」とは?

INDEX
  • メディア界を席巻する「新星」
  • メディアのビジネスモデル改革を先導
  • CEOは「あの飛行機事故」の生還者
  • 怒涛の勢いで専門メディアを買収
  • 斬新なマーケティング戦略で台頭
  • 利益率の高いコンテンツに注力
  • 傘下に入った記者からは反発も
  • GAFA依存からの脱却を目指して

メディア界を席巻する「新星」

リンジー・タレンタインが「レッド・ベンチャーズ」の存在を知ったのは昨年秋のこと。彼女がコンテンツ担当の役員を務める老舗IT系ニュースサイト「CNET」が、同社に買収されたのがきっかけだった。
タレンタインはカリフォルニア州バークレーにある自宅のキッチンテーブルで、その会社がいったい何者なのか、必死にグーグルで検索した。
こうした経験をしたのは彼女だけではない。レッド・ベンチャーズは近年、総額数十億ドルを投じて、各種専門メディアを相次いで買収している。
観光ガイド「ロンリープラネット」、旅行サイト「ザ・ポインツ・ガイ」、健康・医療情報サイト「ヘルスライン」などで働く人々も、同じように不意打ちを食らった。
ネット検索や、買収後の社員旅行(参加必須)の末に彼らがたどり着いたのは、サウスカロライナ州インディアンランドにあるレッド・ベンチャーズの本社だ。
180エーカーの敷地内にはモダンな建物が立ち並び、焚き火台、6レーンを備えたボウリング場、記者会見室、ピックルボールのコート、そして、従業員が任意で入居できる住宅264戸を擁する。
(Travis Dove/The New York Times)

メディアのビジネスモデル改革を先導