2021/8/2

【秘録】永守重信を悩ませる「後継者問題」の全経緯

NewsPicks編集部 記者
ソフトバンクグループの孫正義、ファーストリテイリングの柳井正、そして日本電産の永守重信…。
バブル経済が崩壊してから低迷する日本経済を支えてきたのは、一代で巨大企業を築いたカリスマ経営者たちだった。
しかし今、そうしたカリスマ経営者たちが歳を重ね、1つの大問題に直面している。後継者への引き継ぎだ。
孫は、高額年俸で海外から候補を引き抜いてきたものの、バトンタッチへの考え方が合わず白紙に戻ってしまった。
柳井は50代で社長の座を譲るも、業績悪化を受けて復帰した。永守もこれまで、2人の後継候補がいたが、うまく引き継げなかった。
この30年、日本経済を支えてきた企業たちが抱える問題は、日本経済全体の課題とも言える。
そんな中、永守がバトンタッチへの大きな一歩を踏み出した。2021年6月、初めてCEOの座を社長の関潤に譲ったのだ。
「今回は、3度目の正直だ」
これまでに2度後継者選びでつまずいていることから、永守は周囲にそう話しているという。
だが、ゼロから会社を成長させてきた永守にとって、自分の分身ともいえる会社を、そう簡単に誰かに任せられるものではない。
永守は、次世代へとうまくバトンタッチできるのか。鍵を握るのは何か。
日本電産の「脱カリスマ経営」への道をレポートする。
INDEX
  • 永守、沈黙の「53分間」
  • 永守への「依存」がリスク
  • カリスマを悩ませた「後継者」探し
  • 後継者選び、「2度目のつまずき」
  • トップ人事で「ミスマッチ」
  • 永守を焦らせた「中国勢の台頭」
  • 人に「任せる」苦悩
  • もう、自分の時代ではない