米ウォルマート、医療分野での存在感を急速に拡大
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> 初期診療や研究所、X線、心電図、カウンセリング、歯科、視力・聴力、地域保健(栄養サービスやフィットネス)、医療保険に関する教育や登録などさまざまなサービスが全て1つの施設で提供される同社初の医療センターを発表
生活ニーズに寄り添えててよさそう
注目のコメント
米国には、国民皆保険はありません。保険に入らなかった場合は、飛び込みで自由診療=高額になりますので、これを避けたい方は、何らかの医療保険に入ることが多いと思います。医療保険商品は競争がありますし魅力的でないと顧客を奪われますが、一方で、多くの顧客を自らの契約先病院のみで診察を受けさせる力を有します。このような形が基本ですので市場原理が働き、日本のように一律な診療が提供されるわけではありません。
この元締めの役割(診療先を指定する役割)を取れれば、大きな利益を得ることができるため、特にオンライン診療をチャンスと見立てて、アマゾンやアップルが医療の領域に急速に参入しています。ウォルマートは、全米最大のスーパーマーケット・チェーンですので、極めて多数の店舗を有しており、ここにリアルの診療施設を併設することにより、存在感を高める戦略でしょう。
米国での医療ビジネスの成功の鍵は、オンラインであるか否かにかかわらず、元請けに近い立場でビジネスを行うことだと言えるでしょう。ウォルマートの規模であれば、保険会社に対して価格交渉力ももちやすいと言えます。また、無保険者も対象に、安価に医療を提供するといった「ポジショニング」も記事に書かれていますが、ウォルマートの既存顧客層(無保険者が多い所得層を含んだ、幅広い所得層)との相性が良い考え方だと思います。リアル店舗をベースとして、オンライン診療への展開も視野に入っていることも書かれています。
米国の医療は、マネージドケア会社(保険会社など)がPBM会社(医療給付会社=使う薬の種類を決める会社)と契約、さらに医療機関と契約を結んでいるケースが多く、医療機関としては、多くの患者を獲得するための手段としてこれら企業との協業が不可欠になっています。利益の多くは、マネージドケア会社とPBM会社に渡ることが問題になっていますが、米国にこの仕組みがないと、一方で医薬品の価格を自由に付けられる製薬企業がやりたい放題になってしまうため、バランスが取れているとも言えます。定期的に訪問する場所に医療サービスを提供するというのはというのは利便性が高いし、郊外型大型店なのでスペースは十分にある
何より、アマゾンとの競争を考えた際に「リアル」の強みが生きる領域、というのもおそらく意識してるでしょう
また、アマゾンとの競争によってウォルマートのOMOは鍛えられたので、医療の世界でリアルとネットの融合による革新を行えるポジションにいるという意味でも絶妙な打ち手に見えます様々な分野で業界・業態の壁が溶け出している一つの現象だ。今まで当たり前だと思っていたことはすでに非常識になりつつあり、薬はドラッグストアというあり意味既得権益が壊されてきているのだろう。これからも様々な壁は壊れ、新しいビジネスのカタチができるであろう。