この連載について
ビジネスや働き方が多様化し、正解がない時代に、自分を信じて一心に仕事をする人たちがいる。そこにあるのは独自の「哲学」だ。仕事人のヒストリーをたどり、道標となった哲学を浮き彫りにしていく。
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空調・冷凍機、化学、油機、特機製品の製造販売を行う。空調分野で世界的に高いシェアを占め、空調と冷媒ガスを合わせ持つ。米国・欧州を中心に海外展開も。
時価総額
6.04 兆円
業績
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この2人は、なんとネルソン氏が27年間獄中生活で、時には彼へ拷問を担当していた刑務所の職員。長年自分を傷みつける相手を最初は心底憎んでいたが、きっと彼らにも自分を同じように大切な家族がいるのだろうと、心が何度も折れながらも途中から彼らを憎むことをやめ、彼らをもっと知ろうと思ったそうです。
最初は疑心暗鬼だった彼らも、年月と共に最後にはネルソン氏に心を開き 自分たちの家族のことを話始めると、彼らもネルソン氏に対して興味がわいたそう。そして、最終的にネルソン氏が獄中から解放される運動の大きなきっかけの一つを2人が作ったそうです。
「壮絶な相手にまで自ら心を開く」ことで、最終的には自分にプラスに返ってくる。スケール違えど、嫌な相手にどう向き合い、どうチャンスに変えるかは、自分次第だと時折このストーリーを思い返します。
「実際にリーダーがメンバー一人ひとりに深い関心を持っているでしょうか。さらには、その人の価値観や置かれている境遇などを、深く理解しているでしょうか」…お互いの深い理解のため、対話する時間を確保したい。"忙しい"を理由に優先順位が下がっていないか…自身の価値基準を改めて見直したい。
特に、目の前の仕事話、逆に、昨日何を食べたかのような世間話に終始し、「その人のことを知る」ためのコミュニケーションがおざなりになっている点は盲点かと思っています。
その点、井上さんの書籍「人を知り、心を動かす」にて、「リーダーはメンバーに関心を持っていますか」という問いかけに、ハッとさせられました。
ちなみに課長・島耕作ならぬ、課長・井上礼之は、課長という立場ながら、その「斜め上」の人脈を駆使して、役員会の内容を把握していたそうです。それを大声で「ここだけの話やけど」と言いながら、課のメンバーに打ち明けていたとか。
経営情報をシェアすることは、企業がどのような状況に置かれていて、何を優先しているのかなどが分かるため、組織のパフォーマンスが高くなるとされています。井上さんは、そのような情報共有の重要性を深く理解していたのかもしれません。
あとは、あまり話さない人を席の横にして、会話の機会を作るのも面白いなと思いました。
ちょっとした工夫や仕掛けによりチーム・組織は変わっていく。
嫌いな人と関わらなくて良い社会があったらストレスやいじめは無いのかもしれませんが、逆に孤独や気の紛れがなくやる気みなぎるといったことからは縁遠いのかもしれませんね。
嫌いという自分の常識との違和感や未経験や不慣れから来る感情を、興味に変えていく発想は、協調や競争に発展させることもでき、それが難しいからこそ、我々の人としての強みになるのでしょうか。
井上会長を真似て、日本社会みな一丸となって生き抜く所作をぜひ身につけていきたいですね!
『組織とは「感情の体系」です。その時々のメンバーの感情次第で、組織の成果は大きく変わります。』
よく、「管理職は経営資源(人・モノ・金 《時として+情報》)をマネージすること」などと言われますが、私はいつもそれに加えて「感情」と言ってきました。職場に横たわる、あるいは流れるそれらを掌握することが管理職のミッションだと痛感します。
「組織とは「感情の体系」です。その時々のメンバーの感情次第で、組織の成果は大きく変わります。」
本当に、その通り。