[30日 ロイター] - 米石油大手エクソンモービルが30日発表した第2・四半期決算は利益がアナリスト予想を上回り、1年超ぶりの高水準となった。原油価格の上昇が寄与したほか、化学事業が好調だった。

ダレン・ウッズ最高経営責任者(CEO)は声明で「世界経済の回復により当社製品への需要が高まり、第2・四半期は全ての事業で前向きなモメンタムが継続した」と述べた。

2021年の設備投資については、従来予想レンジである160億─190億ドルの下限になる見込みとした。

サード・ブリッジ・グループのピーター・マクナリー氏は「エクソンは昨年第2・四半期の新型コロナウイルス禍のどん底から回復し、業績が急速に改善している」と述べた。

エクソンは過去最悪規模の損失を計上する中で株主への配当を維持するために負債を積み上げてきたが、足元で高まるキャッシュフローを活用し負債を27億ドル削減。20年末以降の削減額は約70億ドルに達した。

また、一段のコスト削減を改めて表明。19年から23年までに60億ドルのコスト削減達成に向けて順調に推移しているとした。21年上半期のコスト削減額は10億ドル超。20年の削減額は30億ドルだった。

第2・四半期の1株利益は1.10ドルと、リフィニティブがまとめたアナリスト予想の0.99ドルを上回った。

化学事業の利益は前年同期比約5倍の23億2000万ドルと過去最高。プラスチック包装材に対する堅調な需要や供給ひっ迫、輸送上の制約などを背景に利益率が改善した。

探査・生産事業の利益は31億9000万ドルと1年超ぶりの高水準。原油価格の上昇が寄与した。第2・四半期の生産量は石油換算で2%減の日量360万バレルとなった。

第3・四半期は計画的なメンテナンス活動の減少により、石油・ガスの生産量増加が見込まれるという。

一方、精製事業ではパンデミック(世界的大流行)の影響からまだ回復せず2億2700万ドルの損失を計上。メンテナンス費用、国際航空旅行の低迷、過剰供給などが響いた。

米国内の精製事業は6四半期連続で赤字。米国以外では過去6四半期中5四半期で赤字となった。

第2・四半期の純利益は46億9000万ドル。ただ、棚卸資産評価損の戻し入れに関連する利益が含まれており、これがなければ、30億ドルの赤字だった。前年同期は10億8000万ドルの赤字だった。

株価はエネルギー株全般の下げに連れ安し2.3%安の57.59ドル。年初来では43%上昇している。