[29日 ロイター] - 米製薬会社メルクが29日発表した第2・四半期決算は、売上高が市場予想を上回った。ヒトパピローマウイルス(HPV)に関連したがんを予防するワクチン「ガーダシル」の販売が回復するとともに、主力のがん治療薬「キイトルーダ」の需要も引き続き堅調だった。

メルクの幹部は投資家に、医療機関が新型コロナウイルスのパンデミックの影響に適応し始めるに伴い、新型コロナ以外のワクチンや処方箋薬の販売が回復するとの見通しを示した。

メルクは、新型コロナのワクチン開発を断念したが、新型コロナ感染症の治療薬「molnupiravir」を開発中。カロリン・リッチフィールド最高財務責任者(CFO)は10月には後期治験データが得られるとの見込みを示した。

第2・四半期は、パンデミックが深刻なため見送られていた医療機関への受診や治療が再開し、ガーダシルの需要は急増。売上高は88%増の12億3000万ドルとなり、アナリストの予想(9億9138万ドル)を上回った。

キイトルーダの売上高は23%増加し41億8000万ドルで予想と一致した。

デービス最高経営責任者(CEO)は、あらゆる規模のディールを検討する財務面の柔軟性を有しており、がん治療分野の強化につながる資産に注目すると述べた。

総売上高は22%増の114億ドル。予想の111億ドルを上回った。

調整後1株利益は1.31ドルで予想と一致した。