[東京 30日 ロイター] - 経済産業省が30日発表した6月鉱工業生産指数速報は前月比6.2%上昇となり2カ月ぶりに上昇した。ロイターの事前予測調査では同5.0%上昇と予想されており、これを上回り、2020年7月以来の上昇幅となった。

指数は99.3と2020年1月を上回り、再び新型コロナウイルスの影響が出る前の水準を取り戻した。今年4月の指数は100・0となりコロナ前の水準に戻していたが、5月には低下していた。

経済産業省は生産の基調判断を「持ち直している」で据え置いた。

<自動車が指数押し上げ>

普通乗用車などの自動車工業が、前月比22.6%と大幅に上昇し、全体の指数を押し上げた。また、半導体製造装置などの生産用機械は8.9%上昇、電子部品・デバイス工業は3.9%上昇し、これらの業種も上昇に寄与した。

自動車生産について経産省の担当者は、引き続き半導体不足の影響は続いていると考えているが、「基本的に自動車需要に対応するため増産したと考えている」と説明した。

一方、航空機用機体部品などの輸送機械工業(自動車工業は除く)やセメントなどの窯業・土石製品工業は低下した。

<コロナや半導体不足の影響に注意>

生産予測指数は7月が前月比1.1%低下、8月が同1.7%上昇となった。

同予測の上振れ傾向を補正した試算値では7月は前月比2.2%低下となっている。

8月の生産予測に関して経産省担当者は「新型コロナウイルス感染の拡大による国内外の経済への影響、半導体不足の影響などが十分反映されてない可能性があるので注意していく必要がある」としている。

*経産省の発表資料は以下のURLでご覧ください。

http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html [http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/iip/index.html]

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