[ロンドン 29日 ロイター] - ゴールドマン・サックスは29日、MSCIチャイナ指数の投資判断を「オーバーウエート」から「マーケットウエート」に引き下げた。中国政府による大規模な規制措置を受けた市場の混乱やハイテク企業および民間企業の指数に占める割合の不均衡さが理由という。

一方、中国A株については、年後半に見込まれる財政政策の緩和の影響を受けやすいこと、政策面での支援が強化される可能性がある分野のウエートが高いこと、まだ買い余地があることなどを背景に「オーバーウエート」を維持した。

ゴールドマンはノートで、「最近の規制は中国当局が公共財とみなされる分野や戦略的な政策目標にとって重要な分野において、資本市場よりも社会的な公平さや安定性を優先していることを示している」との見方を示した。

また、中国のハイテク企業や民間企業は現在、魅力的なバリュエーションで取引されているとした。

今年2月以降の調整は20%以上と大規模なもので、米中貿易摩擦や地方での規制、シャドーバンキングを巡る引き締めなどでMSCIチャイナが33%下落した2018年の調整局面に近づいているとした。

中国株への投資に関する顧客との会話では「投資不可能」との見方が出ているが、非営利志向や資本調達の制限などかなり極端な規制を株式市場全体に導入するのは難しく、規制という逆風が投資家のバリュエーション評価に影響を与え続けているものの、株価とセンチメントが変曲点を迎えたというのは時期尚早とした。