トヨタ新型アクアに次世代電池 「バイポーラ型」とは
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アクア搭載によってにわかにバイポーラ型が再注目を浴びることに。
バイポーラとは電池の場合、正・負の二極を1つの電極(集電体)に実装したバッテリーの構造とお考え下さい。「双極」電池と言っても良いかもしれません。
アクア搭載のバイポーラ型電池はニッケル水素ですが、実は鉛蓄電池のバイポーラ型は古河電池が、全樹脂電池のバイポーラはAPBが既に採用しています。
そしてバイポーラは正負極が両面にある電極を積み重ねることによって、一定の空間の蓄電容量を増やせることが出来ます。これはMLCCのような多層セラミックコンデンサのような「積層」や巷間喧しい全固体電池の「積層」とは若干積み重ね方が異なります。双極を積み重ねるのと、正極と負極を交互に積み重ねるのとでは使用スペースが異なり、前者の方がより密に実装することが可能です。この辺は記事内の図を参照して頂ければイメージが湧くと思います。
つまり民生用の村田製作所やTDKの全固体電池や、車載用のQuantumscapeやSolod Powerの全固体電池は、記事中の「従来型」の積層になります。先日もQuantumscapeが4層から10層になったと発表していました。
(参考)QuantumScape Says It’s Testing 10-Layer Solid-State Battery Cell
https://newspicks.com/news/6054289
では何故Quantumscapeはバイポーラ型では無く、単純な積層構造にしているかというと、使用している電極と両面に塗る正負極の活物質における接合界面を形成するのが難しい為であることが挙げられるかと思います。古河電池やAPBも異種材料を接合するのに苦労したはずで、素材の相性も有ります。
特にリチウムイオン電池(LiB)の場合、接合するのが酸化物(又は硫化物)と金属、炭素等であることも難しさが有りますので、早々にバイポーラ型のLiBが登場するとも思えません。LiBはローテクで量産するのでエピタキシャル成長させるような異種接合技術は用いられませんので、現行LiB版のバイポーラ電池はまず登場しないと考えて宜しいかと思います。
ということでNi-MHのバイポーラ型電池。このニュースはもう少し取り上げられても良いと思いますね。欧米ではこのニュースは流れていないのかな。新型アクアの電池、リチウムイオン電池ではなくニッケル水素、だけどバイポーラ型というもの。
下記などで電池Pickerな皆様のコメントもあり、本記事と併せて理解を深めたい(自分のための勉強Pick)。
https://newspicks.com/news/6050946
https://newspicks.com/news/6028447
バイポーラで過去Pick検索したら、三洋化成・APBの全樹脂電池と、日産の提携もバイポーラがキーワードになっている。
https://newspicks.com/news/4826730