[28日 ロイター] - 米航空機大手・ボーイングが28日に発表した第2・四半期(6月30日まで)決算は、約2年ぶりに黒字に転換した。新型コロナウイルスワクチン接種の進展を受け旅客需要が急速に回復し、主力機「737MAX」の納入が軌道に乗ったことが追い風になった。

コア営業利益は7億5500万ドル。前年同期は33億2000万ドルの損失を計上していた。

売上高は44%増の約170億ドル。

リフィニティブがまとめたアナリスト予想平均は、損益が4億5480万ドルの損失、 売上高が165億4000万ドルだった。

商用機部門は4億7200万ドルの損失を計上。一方、防衛部門は9億5800万ドル、サービス部門は5億3100万ドルの利益を計上した。

ボーイングは2022年にキャッシュフローがプラスに転じるとの見通しを維持した。

2度の墜落事故で運航停止になっていた737MAXの回復はボーイングの業績改善に不可欠。ボーイングによると、運行停止措置が解除された20年11月以降の納入数は130機を超え、現在は1カ月当たり16機のペースで製造している。

ボーイングはこれまで21年末までに従業員数を13万人まで削減するとしていたが、カルホーン最高経営責任者(CEO)は14万人近辺で安定的に維持すると表明。「国内市場は著しく回復している」と述べた。ただ「航空業界の安定性の鍵となる新型コロナ感染とワクチン接種の状況のほか、世界的な通商を巡る情勢を注視している」とし、ボーイングの業績改善は国際旅客の回復状況のほか、新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染状況や労働力不足などの問題に左右されると述べ、慎重な姿勢を示した。