[フランクフルト 28日 ロイター] - ドイツ銀行が28日発表した第2・四半期決算は、純利益が予想を上回った。

投資銀行部門の収入が減少し、予想外のコストも計上したが、2012年以降で最長の4四半期連続の黒字となった。

第2・四半期の株主帰属純利益は6億9200万ユーロ(8億1800万ドル)。アナリスト予想の3億7200万ユーロを上回った。前年同期は7700万ユーロの赤字だった。

ゼービング最高経営責任者(CEO)は2019年に大規模なリストラに着手。収益力を回復するため、1万8000人の人員を削減した。

同CEOは声明で「引き続き規律ある形で、毎四半期、変革を実現していくことが、今の優先課題だ」と述べた。

イェームス・フォンモルトケ最高財務責任者(CFO)は記者団に、来年の収入は予想を上回る可能性が高いと述べ、以前に目標としていた244億ユーロよりも250億ユーロ(295億2000万ドル)に近くなるとの見方を示した。

ドイツ銀の株価は序盤の取引で一時4.7%上昇した。0820GMT(日本時間午後5時20分)時点では0.7%高。

ムーディーズのアナリスト、マイケル・ロー氏はドイツ銀のリストラは着実に進んでおり格付けにプラスと評価した。

2022年までにコストを167億ユーロに減らす目標については、撤回することを決定した。同行はここ数カ月、複数の予想外の費用を計上するとの見通しを示していた。

同CEOは、コスト・インカム・レシオを70%にする目標を堅持すると表明。今後は同レシオを重視する。

第2・四半期は貸倒引当金が前年同期の7億6100万ユーロから7500万ユーロへ大幅に減少したことが業績改善につながった。

投資銀行部門の助言サービスはM&A(合併・買収)ブームを背景に166%増の1億1100万ユーロとなった。資産運用収益と手数料の増加も増益に寄与した。

投資銀行部門の第2・四半期の収入は前年同期比11%減。2年前の再編以降で最大の落ち込みとなった。

債券・為替セールス・トレーディング部門の収入は11%減の18億ユーロだった。

ディールロジックのデータによると、同部門はさまざまな主要サービスで市場シェアが低下しており、同行の回復力の脆さが浮き彫りとなった。