[東京 27日 ロイター] - 東京五輪の体操女子団体総合決勝に出場していたシモーン・バイルス(米国)が27日、跳馬の演技後に途中棄権した。精神的な健康を重視したためという。

バイルスは怪我のリスクを冒すよりも、またチームの他のメンバーによるメダル獲得のためにも棄権することが必要だと判断したという。前日には自身のインスタグラムに世界的な重荷を肩に感じていると投稿していた。

団体戦後、記者団に対し「悪魔と戦い、ここに来たようなものだ。自分のプライドを捨て、チームのために棄権する必要がある」と説明。「1日の終わりには『自分にとって正しいことを行い、自分の精神的な健康に集中し、自分の健康や幸福を損なわないようにしなければならない』と思うようになった」と述べた。

絶対的な体操の女王として頂点に立ち続けてきたバイルスは、東京五輪の他の体操種目に出場する可能性を残しつつも、一日一日を大切に過ごしたいと語った。

精神的な理由による棄権を巡っては、女子テニスの大坂なおみが今年5月に全仏オープンのシングルス2回戦棄権を表明。2018年の全米オープン以降うつ病に悩まされてきたと告白した。

体操女子団体総合では、ロシア・オリンピック委員会(ROC)が金メダルを獲得。米国は銀メダルだった。

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