(ブルームバーグ): 米インテルは26日、半導体の製造方法に関するファンダメンタルズの一部を見直すことで、2025年の業界リーダー返り咲きを目指すことを明らかにした。半導体業界で長年維持してきた支配的な地位を失ったインテルは、技術の遅れを取り戻そうと取り組んでおり、同社の新たな製造技術を競合関係にある米クアルコムが採用する合意も発表した。

現行のシステムが台湾積体電路製造(TSMC)や韓国のサムスン電子に不当な優位性を与えていると主張するインテルは、イノベーション強化を目指すとともに、半導体製造技術の進化を測定するのに使われるアプローチを変える。

ヴイエムウェアから古巣に戻ったパット・ゲルシンガー氏は2月、インテルのかつての栄光を取り戻すという使命を負って最高経営責任者(CEO)に就任。インテルは前任者らの下で新しい製造技術の導入が遅れ、市場シェアを奪われたほか、一部顧客が自前の半導体を設計する状況に至った。

半導体業界では製造面の能力を回路線幅の微細化の進展で測る。ナノメートル(10億分の1メートル)で表示されるその数字が小さいほど高度な設計となる。TSMCは5ナノで、現在は3ナノにシフトしつつある。インテルは10ナノから7ナノに移行中だ。

ただインテルはこれが相対的な能力を真に反映していないと考えており、用語を変更する。これまで10ナノとされてきた最先端の製品は今後「インテル7」と呼ばれる。7ナノ製品は「インテル4」となる。

長年、業界基準となっているナノメートル表示は元来、プロセッサーを構成するトランジスタを測る手段だった。同社のサンジェイ・ナタラジャン上級副社長によると、インテルの顧客は技術の相対的な強さをより正確に反映する番号制を望んでいる。競合他社が用いる数字はマーケティング目的によるところが大きいと指摘した。

インテルによると、「20A」の名称で2024年に導入される後継ノードはクアルコムに採用される。20Aの名称はナノメートルの時代からオングストローム(100億分の1メートル)で計測する時代への移行を示すのが狙い。

インテルの26日の株価は時間外取引で一時2%安となった。通常取引は54.31ドルに上昇して終了していた。

ウェドブッシュ・セキュリティーズのアナリスト、マット・ブライソン氏は、インテル自身が今回示したスケジュールでもTSMCに追いつくには数年を要することを示していると指摘した。

原題:Intel Pledges to Retake Innovation Crown, Changes Yardstick (2)(抜粋)

©2021 Bloomberg L.P.