この連載について
中国などの世界最新ビジネストレンドを紹介する週間連載。独創性にこだわりすぎず、競合の長所はすぐ学ぶ。「Think Different(異端であれ)」より「Think Different, Later(やってから考える)」な事例を取り上げる。
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Alibaba is the world's largest online and mobile commerce company as measured by gross merchandise volume.
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よく考えると、実は今の大きなビジネスは最初の頃、ほとんど「ニッチ」だったことを気づきました。
アリババの「タオバオ」、Amazon、テスラ・・・
今の視点だけで今のビジネスを安易に評価するのではなく、未来視点で今のビジネスを見るべきだと改めて認識しました。
ネコ用ルームランナー、火鍋味のロウソク、脱出ゲーム、ガンプラなど会場に詰め込まれたニッチなアイテムは面白いのですが、「なんでこんな大金をぶっこんでまで、アリババはこんなイベントをやるんだろう?」という疑問がついつい浮かんでしまいます。
なぜアリババが「奇祭」を開催するのか? そこにはZ世代の文化をいち早く発見し、スケールさせようという狙いが潜んでいました。
現地を取材した、ライターの林毅に話を聞きました。
今年も、オンライン教育やブラインドボックス(※)など色々出たのですが、その中の一つに記事にもある「漢服」がありました。
とはいえ、記事中の写真のように、漢服を着て歩いている人は見かけませんし、報告してくれた学生も、卒業式や花見などのイベントで着るだけで、さすがに普段は着ないと言っていました。そりゃそうだ(笑)
※ “キャッシュレス国家”中国で、増える自販機、減るATM
https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19/00109/00032/
から注目していますが、最近それを再認識した体験を1つ
漢服と同様(或いは日常シーンではそれ以上に)日本の
JK(女子高生)ファッションを街角で目にする見る機会
が増えており、一部VC界隈でも注目を浴びています
・1st Tier VCから調達した漢服チェーンが、実は中身は
JKファッション中心だったというケースも
とは言え、私の大学講座(日本企業文化論)の教え子の
女子40〜50人の中でも、JKファッションをしそうなのは
2〜3人程度(≒5%)
「日本と親和性の高い層で5%程度なので、中国全体では
1%もいるかどうかの超ニッチ市場では?」と中国VCの方
に少し食ってかかってみたところ、
「中国で1%もターゲット出来るなんて立派なことだ」
との反応、改めてハッとさせられました・・・
ちなみに、足元でベンチャー案件でも、各領域でマスから
ニッチへの流れを感じます
・EV/自動運転 × 鉱山車、化粧品 × 男性向けコスメ、
小売チェーン × 火鍋材料、飲料 × 果実酒、
食品 × スパイシースティック・・・
・マス案件のwindowは既に過ぎてしまったため、
渦巻く投資マネーが各サブテーマに殺到している印象
バーチャルマンションをNFTで販売というのは、伸びそうですね。キーボード型のネコの爪研ぎもほしい。テレビなどの取材も多いのではないでしょうか。メディア効果は抜群です。
NFTでデジタルアートが高額で取扱いされる時代なので、デジタル不動産があってもおかしく無いし、今後主流になるかもしれない。今がニッチでも数年後当たり前になっている可能性は充分あり、やはりトレンドに"詳しくなる"ことは必要不可欠。
以下の文が象徴的
『前述のとおり、中国ECは「お祭り」がけん引して発展させてきましたが、規模の拡大は限界に近づきつつあります。
そこで取引額ではなくて種類、ちょっと面白い新たなジャンルの新商品の登場と発展を、「祭り」に乗せて加速させる。それを狙っているわけです。
今見ると、「脱出ゲームやペット用ルームランナーって楽しいけど、こんな大規模イベントで紹介するほどのビジネス?!」と不思議に思うわけです。
ところが、ひょっとすると1、2年後には市場規模は大きく拡大し、「そういえばメーカー・フェスティバルでの紹介で成長が加速したよね」と振り返ることになるかもしれません。』
Z世代にウケる商品は、ある意味、他の世代からみれば、謎ですよね。
その謎を正しく理解した企業だけが、Z世代からの支持を得ることができます。
※個人的な見解であり、所属する会社、組織とは全く関係ありません