(午前の官房長官会見の記事で、本文中の誤字を修正して再送します。)

[東京 26日 ロイター] - 加藤勝信官房長官は26日、日本が自国の領土であると主張し、ロシアが実効支配する北方四島の択捉島へのミシュスチン・ロシア首相の訪問は「極めて遺憾」だとして、近くロシアに抗議する考えを示した。北方四島での共同経済活動に関するプーチン大統領の発言については、留意すると述べた。

ミシュスチン首相の択捉島訪問について、加藤氏は「訪問が行われないよう、これまでもさまざまなレベルでロシア側に対して、繰り返し申し入れしてきた」と述べ、「ロシア首相による択捉島訪問は、北方領土に関する日本の一貫した立場と相いれず、極めて遺憾」と非難した。

一方、ミシュスチン首相の極東訪問が、北方四島における日ロ共同経済活動のロシア側提案を最終的に形にすることを期待するとのプーチン大統領の発言については「ロシア側の意図を推測するのは控えるが、わが国は共同経済活動については法的立場を害さないことを前提に、ロシア側との協議を精力的に行ってきた」と指摘。「(日本)政府として、プーチン氏の発言については留意している」と強調した。

加藤官房長官はまた、ワクチン接種証明書の申請受け付けが、26日から各市町村で開始されたと発表。海外渡航時にワクチン接種証明書を提示することで、防疫措置の免除および緩和を受けることができる。対象国は現時点でイタリア、オーストリア、ポーランド、トルコ、ブルガリアの5カ国で、順次拡大する予定という。

菅義偉首相は、ブーラ・米ファイザー最高経営責任者(CEO)と23日に会談した。加藤長官によると、首相からは4月の電話会談で要請したワクチン5000万回分の追加供給と五輪パラ選手団のための4万人分の提供がなされたことについて謝意を伝え、ワクチンの重要性や今後の安定的な供給などについて意見交換が行われたという。

<パン前国連総長と陛下の会談、「答え控えたい」>

東京五輪に来日した韓国の潘基文(パン・ギムン)前国連事務総長が、23日の開会式後に天皇陛下と会談したとの韓国報道について、「宮内庁において陛下が23日に開会式に出席する各国首脳と宮中で会見および引見する旨公表したのは承知しているが、答えるのは差し控えたい」とした。

23日午前1時過ぎ五輪組織委員会や国税庁、公正取引委員会などのウェブサイトが一時的に閲覧できなくなった問題に関しては、米アカマイ・テクノロジーズ社のソフト上の問題ですぐに解消し、サイバー攻撃ではないとの同社発表を紹介した。