[シドニー 26日 ロイター] - オーストラリアのニューサウスウェールズ(NSW)州は26日、新型コロナウイルスの新規感染者が145人となり、前日の141人から増加したと発表した。

80代の男女2人が死亡し、1カ月前の感染拡大以降の死者が10人となったことも明らかにした。パンデミック(世界的大流行)開始以降の累計の死者数は全国で920人。

NSW州では外出を制限するロックダウン(都市封鎖)が州都シドニーで実施されており、30日が期限となっているが、コロナ検査前に他者と接触した感染例がなお増えているため、延長はほぼ確実とみられる。

新規感染者のうち51人は、陽性反応が出る前に他者と接触しており、感染のリスクが高まっている。

NSW州のベレジクリアン首相は会見で「一部の地域でさらに厳しい措置を講じる必要があるかもしれない」とし、数日中に移動制限について新たな情報を提供すると述べた。

シドニーでは週末に行われたロックダウンに抗議するデモに数千人が参加したため、当局はさらなる感染拡大を懸念している。

NSW州警察のフラー長官は、ロックダウンの命令に違反した疑いがある人について、約1万件の通報があったとし、警察は抗議集会などの情報を事前に把握しており「再び容認することはない」と警告した。

一方、ビクトリア州が26日発表した新型コロナウイルス新規市中感染者は前日と同数の11人にとどまり、予定通りロックダウンが解除される見通しとなった。

ビクトリア州全体と南オーストラリア州のロックダウンは27日夜までとなっている。

豪メディアはNSW州政府の幹部が26日に危機対策会議を開き、ロックダウンの「大幅延長」を発表する可能性があると報じた。

豪紙オーストラリアンは、当局は従来、ロックダウンの期限を9月3日に設定する可能性を検討していたが、9月17日に先延ばしする可能性があると報じた。

NSW州のベレジクリアン首相はセブン・ニュースに対し、報道について「この期日がどこから出た情報かは知らないが、今週、われわれは7月31日以降、そして今後数週間の生活がどうなるかについて話すことになる」と語った。