[ニューデリー 23日 ロイター] - 米電気自動車(EV)・大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)はツイッターへの投稿で、インドでの輸入販売で実績を出せれば、現地に工場を設ける公算が大きいとの見通しを示した。関係筋によると、同社はこれより先、インド政府の関連省庁に書簡を送り、EVへの輸入関税の大幅引き下げを訴えた。

ただ、インドのモディ政権は国内製造業の振興に向け、多くの産業に高水準の輸入関税を課しており、テスラの引き下げ要求にも難色を示すとみられる。

マスク氏は、インドでのテスラ車の販売開始を求めるツイートに対し「われわれはそうしたいが、(インドの)輸入関税は他の大きな国よりもはるかに高い」と応じた。

「ただ、われわれは少なくとも一時的にEVに対して関税が軽減されるよう願っている」と続けた。

インドで事業を行う他の高級車メーカーも、過去に輸入車への関税引き下げを政府に働き掛けた。だが、国内に生産拠点を持つ競合社の反対で要求は実現していない。

関係筋によると、テスラは年内にインドでの販売開始を目指しており、関係省庁やインドの有力シンクタンク、ニティ・アーヨグに宛てた書簡で、EV完成車の連邦レベルの輸入関税を40%に引き下げることが適切だと主張した。現在は4万ドル未満の輸入車には60%、4万ドル以上の車両には100%の関税を課している。

関係筋は「輸入関税を40%に設定すれば、EVが今より手に入りやすくなるが、需要が拡大した場合に現地生産で対応するよう企業に促すには十分に高い水準というのが(テスラの)主張だ」と指摘した。書簡は公表されていない。

テスラの米国向けウェブサイトによると、4万ドルを下回っているモデルは「モデル3スタンダード・レンジ・プラス」のみとなっている。

テスラが書簡を送った先は、インドの道路交通省や重工業省など。これらの省からコメントは得られていない。

インドではEVが平均的な消費者の手の届かない価格帯にあり、充電インフラもほとんど整備されていないため、販売台数は少ない。

昨年同国で販売された自動車240万台のうち、EVは5000台にとどまった。大半が2万8000ドルより安いモデルだった。