[ワシントン 25日 ロイター] - 米国で新型コロナウイルスのデルタ株への感染が拡大する中、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は25日、免疫機能が低下した人はワクチンの追加接種(ブースター接種)が必要になる可能性があるとの見方を示した。

CNNのインタビューで「3回目の追加接種を行う可能性があるが、その場合は臓器移植患者やがんの化学療法を受けている人、免疫抑制剤を使用している自己免疫疾患の患者などが最初になる」と述べた。

また、ワクチンを接種済みの人に対するマスク着用を巡る指針についても「積極的に検討中」とし、保健当局が指針を変更すべきか検討していることを明らかにした。

ファウチ氏は、ワクチン接種後の免疫効果低下の可能性を示す研究に言及し、ブースター接種が必要になる可能性のある時期を見極めるため、米保健当局者がデータを精査していると指摘。状況は変化するとし、データを検証する必要があると強調した。

イスラエル保健省は今月、米ファイザー・独ビオンテック製のワクチンについて、感染予防効果と発症予防効果の低下を報告した。ただ、重症化の予防には依然有効とした。

イスラエルではデルタ株が主流になっており、臓器移植患者や化学療法を受けているがん患者などに対し、既に3回目の接種を行っている。

デルタ株は米国でも感染拡大の原因になっており、ワクチン接種率の低い地域で特に感染者の増加が目立つ。

ファイザーとビオンテックは23日、米政府がワクチン2億回分を追加購入したと発表した。