(ブルームバーグ): 米銀大手シティグループのバンカーとトレーダーのグループが、黒人所有の銀行で勤務する時間を認める新しいプログラムへの参加を目指している。

新プログラムは米国で減少するマイノリティー向け預金機関を助言する取り組みの一環としてシティが22日に開始するもので、上級幹部はこうした預金機関の運営のてこ入れや新たな事業部門の設立を支援する。

プログラムの最初の参加者は、シティのトレーディング部門ディレクターのジーナ・ニスベス氏。ユニティー・ナショナル・バンク・オブ・ヒューストンの支援に1年間を費やす計画だ。

黒人男性ジョージ・フロイドさんが昨年ミネソタ州で警官に首を圧迫され死亡した事件以降、銀行各行はマイノリティー向け預金機関への協力を求められており、多くが出資で対応している。シティは所得格差の解消を目指す10億ドル(約1100億円)のコミットメントの一環として、これらの銀行数行に5000万ドルを提供した。

シティの公共部門グループのマネジングディレクター、ハロルド・バトラー氏は「どの銀行も出資はできる。われわれもそれにコミットした。しかし、大きな違いを生むのは、こうしたことだ」と指摘。「ジーナのような腕利きの上級幹部をシティの費用で1年間も送り込むことは、これまで一度も行われたことはない」と語った。

米連邦準備制度理事会(FRB)によると、1888年に初めて米国で黒人によって組織運営される銀行が設立されてから50年間に134の銀行が設立されたが、現在も残っているのは24行に満たない。

原題:Citigroup Traders, Bankers Vie to Do Stints at Black-Owned Banks(抜粋)

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