[ソウル 22日 ロイター] - 韓国の現代自動車が22日に発表した第2・四半期決算は、純利益が1兆8000億ウォン(約15億7000万ドル)で、前年同期の2270億ウォンから急増し、四半期の純利益としてはおよそ6年ぶりの高水準となった。利益率の高いスポーツユーティリティービークル(SUV)や高級車のジェネシスの堅調な需要に支えられた。

リフィニティブ・スマートエスティメートのアナリスト予想の平均1兆6000億ウォンも上回った。

現代自は「新型コロナウイルス禍からの景気回復を背景に自動車需要が拡大する中、SUVとジェネシスが全体の販売の勢いをけん引したほか、インセンティブ(販売奨励金)の減少が売上高と収益性を押し上げた」と分析した。

アナリストは、現代自は保守的なサプライチェーンマネジメントにより、世界的な半導体不足に他の自動車メーカーよりもうまく対処していると指摘する。

ただ、半導体不足の長期化やその他の部品供給問題は、現代自にも影響し始めており、4月には国内工場の1つで操業を一時停止した。

現代自は、原材料価格の変動や自動車向け半導体供給の不安定さなど厳しい経営環境を理由に、2021年下半期は売上高の前年比伸び率が鈍化する可能性があるとした。

世界的な半導体不足については、年後半には次第に和らぐとの見方を示したほか、安定供給の維持に向けて大手の半導体メーカーとの提携を模索していると明らかにした。

ユージーン・インベストメント・アンド・セキュリティースのアナリスト、Lee Jae-il氏は、半導体受託生産世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が先週示した供給見通しの改善を指摘し、「調達問題は下半期には上向くと思われる」と述べた。

TSMCはアナリストとの電話会議で、自動車用半導体の不足は、同社では第3・四半期から緩やかに緩和するが、半導体製造能力全体は恐らく来年までタイトな状況が続くとの見通しを示した。