2021/7/23

【先読み】日本人にも影響大。どうなる「米国のインフレ」

アメリカ株の上昇が止まらない。米S&P500種指数は年初来で15%以上の値上がりを見せている。
一方で、株価の先行きに大きな影響を与える要素がある。それが金融緩和政策の「出口」だ。
アメリカではパンデミックによる経済の混乱を防ぐため、昨年3月に「ゼロ金利政策」を開始。米国債を大量に購入する量的緩和政策も復活させた。
しかし、これらはあくまでも緊急時の手段であり、景気回復とともに元に戻す必要がある。その際には市場に供給されるお金が減り、株価にも影響を与えることが予想される。
また今年3月には、バイデン政権が約200兆円(1兆9000億ドル)の経済対策を発表した。あまりの規模の大きさから、過度な物価上昇(インフレ)の懸念が強まっている。
FRBが目標とする「インフレ率2%」を上回る状態が続くと、「出口」の時期が早まる可能性がある。そのため物価動向にも、マーケットは警戒感を強めているのだ。
果たしてこの先、アメリカの経済はどのように推移するのか。マーケット動向に詳しい、りそなアセットマネジメントの黒瀬浩一チーフ・ストラテジストと、東短リサーチの加藤出チーフエコノミストに見解を聞いた。
日本人の消費や、資産形成とも切っても切り離せないこの問題。休日にじっくりと考えていこう。
INDEX
  • 「悲観的な予想」が外れたワケ
  • インフレは「あっても一時的」
  • 米中の「補助金合戦」が過熱
  • 今秋にテーパリング決定も
  • 「GDPと株価の乖離」に要注意
  • パウエル議長はジレンマに直面
  • 出口は低所得者への影響次第

「悲観的な予想」が外れたワケ