(ブルームバーグ): イタリアの高級ファッションブランド、エルメネジルド・ゼニアが特別買収目的会社(SPAC)と32億ドル(約3500億円)規模の合併を通じて上場する。創業者一族が支配権を手放すことなく、投資家の資金力を活用しようとする高級ブランドが増えており、ゼニアもこれに加わる。

ゼニアは19日、SPACのインベスティンダストリアル・アクイジションとの合併によって8億8000万ドルの調達を目指すと明らかにした。合併後も創業家であるゼニア一族が株式62%を握る。上場先はニューヨーク証券取引所。インベスティンダストリアルは、UBSグループの元最高経営責任者(CEO)、セルジオ・エルモッティ氏が会長を務める。

インベスティンダストリアルは合併後の株式11%を保有し、残る27%が市場で取引されることになる。

イタリアの高級ブランドは新型コロナウイルス対策に伴うロックダウン(都市封鎖)措置で打撃を受け、モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトン(LVMH)などの大手に支援を求めた有力ブランドもある。

ゼニア創業者の孫で現在同社のCEOを務めるギルド・ゼニア氏は記者団との電話会見で、「今回のタイミングは完璧だ。高級ブランド事業は非常に厳しくなりつつある」と語った。

原題:Designer Zegna to Go Public in SPAC Deal Worth $3.2 Billion (2)(抜粋)

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