2021/7/20

【教養】今こそ知りたい「ワクチンと国際政治」の話

NewsPicksエディター/音声事業 プロデューサー
新型コロナウイルス感染症の「出口」を考える上で、切り札として期待されているワクチン。そんなワクチンは、国際政治の道具となりつつある。
中国を皮切りに、インド、アメリカなど、大国が他国に対してワクチンを大量に供給。影響力の拡大を図る「ワクチン外交」を進めているからだ。
現在、ワクチン外交はどのように進展しているのか。変異株の存在は、その勢力図をどう塗り替えるのか。
危機管理や経済安全保障が専門の、アジア・パシフィック・イニシアティブ主任研究員の相良祥之氏に解説してもらった。
INDEX
  • 中国のイメージ戦略は奏功したか
  • 「世界の薬局」インドの事情
  • 多国間主義に復帰するアメリカ
  • 「3回目の接種」がもたらす余波
  • 今後の課題はサプライチェーン

中国のイメージ戦略は奏功したか

──中国、インド、アメリカを中心に、大国がワクチンを他国に供給する「ワクチン外交」が進んでいます。
その中でいち早く取り組んだのは中国で、シノバックやシノファームといった自国産ワクチンを、東南アジア、中東、アフリカ、中南米諸国に供給していきました。