【新】ニュースが10倍面白くなる「国際政治」講座
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日々目にする「点」としてのニュースを「線」にすることで、国際政治はぐっと身近になります。
さらに昨年の国際情勢特集(https://newspicks.com/news/5062957/body)と併せて読むと、「何がどう変わったのか・変わらないのか」という視点も加わるのでおすすめです。
注目のコメント
世界で起きる出来事は玉突きのように連動しています。
新型コロナウィルスは、現在だと、1日の新規感染確認数で見ると、
英国、インドネシア、インド、ブラジル、ロシアの順、
1日の死者数で見ると、
インドネシア、ブラジル、ロシア、インド、コロンビア
人口当たりで見た1日の死者数の多さは、
ペルー、ハンガリー、ボスニア、チェコ、の順になっています。
https://www.worldometers.info/coronavirus/#countries
英国の感染急増はあるものの、欧米は今はピークではなく、中南米や東南アジアで、これまでで最も深刻な事態に入っている国があります。また、アフリカで確実に感染者と死者の数が増加しています。
状況が把握できない国もあります。ミャンマーもそうで、軍政の発表では1日の死者は200人程度ですが、実際は数十倍ではないかと見られています。そもそも病院も機能していません。医師がストライキをしていたり、逮捕されてしまったということもあります。ワクチンはもちろん、マスクもありません。火葬が追いつかず、遺体が路上に積まれる事態になっています。実のところ、クー・デタ後に国軍に殺された総数よりもはるかに多い死者が毎日出ています。飢餓も始まるでしょう。
日本語で「人権問題」というとどこかボヤけていますが、医療がなく、ワクチンもなく、そのために1か月に10万人は死ぬであろう状況は、まさに人権問題でしょう。
「巨額の経済対策でインフレが起きる」というのも、先進国で供給された莫大な通貨が投資に向かい、穀物や燃料の価格が高騰するということを意味します。ミャンマーをはじめ、新型コロナウィルスで最も死者が出ている国には、飢餓をともなう壊滅的な打撃を意味します。インドやインドネシアは、成長への道筋から転落するかもしれません。南アフリカやレバノンのように暴動が繰り返し起きる国も増えるし、内戦になる国もいくつかあるでしょう。
同様の玉突きは世界中で起きていて、先進国は通貨の供給を増やすことで乗り越えようとしますが、それができないアジア、アフリカ、中南米の国はワクチンもなく、混乱が広がります。すでにアフガニスタンからはヨーロッパに向けて移民難民の移動が始まっていますが、動ける人々はヨーロッパや米国を目指すようになります。今週から1週間、国際政治に関する特集を掲載します。国際政治ってなんだか難しそうと思うかもしれませんが、文脈を把握すれば、1つ1つの出来事が違って見えます。
第1回では、複数人の専門家への取材から、今世界でイシューとされていることの「見取り図」を示しました。個人的にはGAFAなど巨大IT企業と国家の問題をここに入れたいです。
トランプ政権最後の混乱とそこへのIT企業の対応で明らかになったのは、一部IT企業は国家政府以上の影響力を行使できる可能性が出たこと。
つまり、政治の主役として国に代わる存在が台頭しつつあるのです。
AWSの利用停止に端を発し、App StoreやGoogle PlayのAppleやGoogleも同様。
かれらは保守系SNSのParlorをストアから排除することで元大統領の言論に影響を及ぼしましたね。
大統領の発言を選挙で選ばれてもいないFacebookやTwitter関係者が取捨選択できるようにもなりました。
彼らは国家ではなく、株主の利益で動きます。
EUは危機感を共有した上で手を打ちつつあります。
一方で、この事の大きさを日本はほとんど理解していません。
日本は残念ながら情報というものに対して極めて無防備な部分があります。
中国のアリババいじめは、「いじめ」ではなく完全にこの文脈です。国体の危機です。
色々と危機対策の中で政府はTwitterとか使ってますが、彼らが急にサービスやめたら国はどうなるのか?
国家の基盤にAWSやAZURE使っていないか?
Signalほど強固でない他メッセージアプリを使うことで、国家の重要な会話を「検閲」と称して他国に流出させたりハッキングリスクに晒していないか?
我々はどうするべきなのか。
勉強的に知識を蓄えることはスタートとして大事。
その次に、我々が考えるべき個別論点まで踏み込みたい。
お勉強が大好きなのは良いが、吉田松陰なども実践のない勉強に意味はないと述べています。
世界で起こることの知識を自国と繋げて考え、何か行動できることはないか、考える。
これこそが国際政治を学ぶ「面白さ」や意義だと思います。