中国、デジタル人民元のクロスボーダー決済検討へ
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ざっと見ましたが、人民元国際化についても言及していますね。
将来的には、クロスボーダー決済の改善に関して、中銀デジタル通貨の適用性の研究を、人民銀行がG20などでの議論を呼びかけていくようです。また、クロスボーダー決済のテスト事業についても言及していました。
世界的にも注目されているデジタル人民元がどのように発展していくのかを考えるためにも、もう少し詳しく読んでみる必要がありそうです。香港とタイはクロスボーダーのCBDCの検討を共同で進めています。中国は一帯一路推進のため、デジタル人民元のクロスボーダー利用は当初から視野に入れていたはず。あまり大っぴらにクロスボーダーを掲げると、他国が構えるため、今回のような柔らかな?表現になっています。
曰く「相手国の通貨主権を尊重し、関係国の法律を順守する形で行われる」と。
デジタル人民元の発行時期は定めないとしていますが、これも他国を刺激しないため。運用方法や法整備なども含め、ほぼ完成に近づいているのではないでしょうか。とりわけ類似の開発に取り組んでおられる方々は、この報告書を興味深く読まれたことと思います。
内容としては、議論の整理や、既に判明していることの再掲が多かったと感じます(例:デジタル人民元には付利しない方針、現状の「中央銀行ー民間銀行」の二層構造を活かし間接型で発行すること)。
興味深かったのは、2020年冬季オリンピックでの実験を計画している内容(決済機能付きのオリンピック・ユニフォームや手袋など)がいくつか紹介されていたことです。各国から、これを見るために北京に行こうとする人々も出てくるでしょうし、海外に報道されることも狙っているのでしょう。中国も、オリンピックを自らのハイテクの展示場としても活用しようと、いろいろ考えているなあと思います。