[モスクワ 12日 ロイター] - バイデン米政権で気候変動問題を担当するケリー大統領特使は12日、訪問先のモスクワでロシアのラブロフ外相と会談し、地球温暖化対策で両国が早急に協力できるよう提案を行いたいとの考えを示した。

ラブロフ氏はロシアの気候変動問題担当大統領特使を務める。ケリー氏は会談で、英北部グラスゴーで今年開催される国連気候変動枠組み条約締約国会議に先立ち、米政府はロシアと協力することを望んでいると伝えた。米側の提案の内容は公にしなかった。

また、両国の関係を巡り米ロ間には相違もあるものの、バイデン大統領が4月にオンラインで開いた気候変動サミットにプーチン大統領が参加したことを歓迎すると表明。

「ロシアが追加の行動を取る意向であるのは喜ばしい。ロシアも(気候変動によって)当然影響を受けている。この問題で両国が協力する余地があると考えている」と述べ、行動の必要性を示す警告シグナルの一つとして北極圏における気候変動を挙げた。

ラブロフ氏は、ケリー氏の訪ロを二国間関係にとって前向きなシグナルと受け止めているし、ロシアもグラスゴーでの会議に先立ち気候問題での緊密な連携を望んでいると述べた。

ケリー氏は、世界2位の排出国である米国と同4位のロシアには行動する責任があると強調した。