2021/7/13

世界中で加速。コロナ検査の新常識は「呼気測定」

INDEX
  • 超大型イベントで採用
  • 人の「息」は情報の宝庫
  • 病気ごとに「物質パターン」を特定
  • 判定の精度には課題も
  • ユニークな研究が続々登場
  • 「未来」へとつながる技術

超大型イベントで採用

この5月、オランダのロッテルダムで開催された「ユーロビジョン・ソング・コンテスト」には、数十カ国からミュージシャンが参加した。
大会期間中、スパンコールのついたドレスや宝冠、巨大な天使の羽などで飾り立てたコンテストの参加者たちは、優勝をかけてステージ上で闘う。だがその前に、彼らはもうひとつのテストに合格しなければならなかった──呼気検査だ。
会場に到着したミュージシャンらは、「スピロノーズ」と呼ばれる水筒サイズの装置に息を吹きかけることを求められた。
スピロノーズは、呼気に含まれる化学物質を分析し、新型コロナウイルス感染の兆候を検出する装置だ。結果が陰性なら、コンテストに参加することができる。
ユーロビジョンの参加者には、呼気検査が義務付けられた(Dean Mouhtaropoulos/Getty Images)