[ベネチア 11日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は11日、ECBは戦略見直しを受け、今後のいずれの理事会でも必要ならば新たな金融政策を採用することが可能との認識を示した。

ECBは8日、1年半にわたる戦略見直しの結果、中期的なインフレ率目標を「2%」に変更すると発表した。これまでの「2%に近いが、それを下回る水準」を改め、物価の一時的な上振れを容認する。戦略見直しは2003年以来18年ぶり。気候変動の問題にも一段と配慮する。

ビルロワドガロー氏は「戦略は長期だが、政策はどの政策理事会でも採用可能だ」と指摘。必要ならば新たな政策を採用するための理事会が年末までに少なくとも4回あるとした。

ベネチアでの講演で、たとえECBが新型コロナウイルス流行に伴う資産買い入れプログラムを計画通り来年3月に終了するとしても、その他の非伝統的手段のおかげで金融政策は「必要な限り非常に緩和的」にとどまると述べた。

また、「金利の実質的な下限を回避するため、インフレ目標が上限との考えからわれわれは距離を置く必要がある。これは大幅な変更だ」と語った。