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このニュースで気になっているのは,海運業で広く適用されているトン数標準税制がどうなるか,です.

トン数標準税制は船腹量に基づいたみなし利益に課税する外形標準課税で,法人税額が市況にかかわらず一定化します.日本の海運でも導入はされていますが,使い勝手も悪く不十分なうえに時限立法ということもあって普及は進んでいないのが現状です.海運業界は海外事業者に対して日本が競争環境としてで著しく不利であるとして,トン数標準税制の拡充を求めています.

このような税制が欧州を中心に合意されるとトン数標準税制の扱いはどうなるのかなあ…ということです.世界的にトン数標準税制が禁止されるのであれば,この最低税率に同意しない国への本社移転が促進されると思います(タックスヘイブン課税のような制度は確かにありますが).おそらく財務省は廃止を求める可能性が高いと思います.トン数標準税制は租税特別措置としての扱いになっています.ただし,私は拙速に廃止することが良いとは思っていません.

それは,税制上あまりにも不利であると海運業者が日本から出て行ってしまうからです(正確には本社だけ海外に移すということです).日本の海運業者が大きな顧客である造船業や舶用工業にも望ましくない結果があります.外航海運自体は雇用吸収力の大きな産業ではありませんが,波及効果を考えると日本経済への打撃も小さくないでしょう.海事クラスターによる雇用は約30万人です.

トン数標準税制については,日本海事センターの野村摂雄さんが包括的なレポートをまとめておられます↓
http://www.jpmac.or.jp/img/research/pdf/A202090.pdf