2021/7/11

【直撃】ゲイツもベゾスも投資。今、核融合がアツイ

NewsPicks 編集部 記者・編集者
もはや、それは「夢」ではない。
二酸化炭素を排出せず、原子力発電に比べて、事故も起こりにくく、高レベル放射性廃棄物も出ない。燃料も海水から調達できる。そんな、人類にとっての夢のエネルギー、核融合の実用化に取り組む民間企業が次々と登場している。
核融合というと、遠い未来の「夢の技術」だと考えている人も多いだろう。
だが、世界では核融合を自分たちの手で実用化しようと挑む民間スタートアップが次々と登場し、すでに30社を超える核融合スタートアップがあるといわれている。
脱炭素の世界的なうねりの中、「究極のエネルギー」である核融合は投資資金を集めやすい環境にある。米マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ、米アマゾンの創業者、ジェフ・ベゾスも、核融合に資金を投じる投資家だ。
そして日本にも、この分野のスタートアップが出てきた。
核融合の世界で今、何が起きているのか。実用化のめどは立っているのだろうか。
NewsPicks編集部は今回、日本を含む3社の核融合スタートアップへの取材に成功。貴重な現場の声をお伝えする。

核融合の「リーバイス」になる

核融合炉のキモとなる装置を開発する京都フュージョニアリング。世界の核融合スタートアップを顧客に持つというユニークな立場で業界に関わっている。

長尾昂CEO(最高経営責任者)と共同創業者の小西哲之・京都大学教授に聞いた。
──京都フュージョニアリングは、核融合炉のどんな装置をつくっているのですか。
長尾 主に3つのプロダクトの開発・受注生産をしています。
まず、簡単に核融合炉の構造を見てみましょう。