[ポルトープランス/ワシントン 8日 ロイター] - ハイチのレオン・シャルル警察署長は8日、モイーズ大統領(53)を暗殺した犯行集団が、コロンビア人26人、ハイチ系米国人2人で構成されていたとの認識を示した。

コロンビアのモラノ国防相は、初期段階の捜査ではコロンビア軍の退役軍人が事件に関与したとみられると表明、ハイチ警察の捜査に協力する方針を示した。

シャルル警察署長は会見に容疑者17人を同席させ、所持品のコロンビアのパスポート、アサルトライフル、山刀、無線機などを公開。「外国人がわが国に入国し、大統領を殺害した」と述べた。

同署長によると、警察は容疑者のコロンビア人15人、ハイチ系米国人2人を拘束。容疑者のうち3人は死亡し、8人は逃走中という。

ハイチの選挙関連担当相は、35歳と55歳のハイチ系米国人が容疑者に含まれると表明した。

米国務省のプライス報道官は、政府はハイチ警察の捜査協力要請に応じていると表明。逮捕者の中に米国人が含まれていたかについては、まだ確認できないとした。

ハイチと外交関係がある台湾の外交部(外務省)は、容疑者のうち11人は台湾の在外公館に侵入し、逮捕されたことを明らかにした。

これに先立ち、シャルル署長は8日、容疑者6人を逮捕したと発表。暗殺計画の首謀者は目下捜索中という。

シャルル署長はテレビ放映された記者会見で、首都ポルトープランス北部のペシオンヴィル地区の現場近くの民家で容疑者らを包囲し、7日夜にかけて激しい銃撃戦の結果、6人の身柄を拘束したと発表。現場から3人の遺体を収容した。

署長は「実行犯は突き止めた。現在は首謀者の捜索を進めている」と述べた。

地元メディアでは、容疑者が勾留されている首都ポルトープランスの警察署の外に数百人の住民が集まり、「彼らを燃やせ」と叫びながら、容疑者のものとみられる車両に火を放つ様子が報じられている。

これを受け、ハイチのジョセフ暫定首相は8日、容疑者を警察に引き渡し、私的制裁を加えないよう呼び掛けた。

またシャルル署長も住民は治安部隊に協力し、騒動を起こさないよう訴えた。

当局は現時点で大統領暗殺の動機を明らかにしていない。