【受賞】米議会が注目。インスタ/フェイスブックの「確執」
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「You are what you measure(何を測るかで、その人やビジネスのあり方が規定される)」という視点だ。
会社にとって最も重要な指標は何なのか。どのようなビジネスモデルを採用するのか。この選択によって、プロダクトの設計や会社のカルチャー、組織体制や人事評価制度などが大きく影響を受ける。
ザッカーバーグは、広告というビジネスモデルを選び、グロース(成長)を最も重視する文化を作った。ユーザー数の伸びやアプリ滞在時間を注視し、これを成長させた社員が評価されてきた。「素早く動き、破壊せよ(Move fast and break things)」というモットーは社外にも広く知られている。
一方、シストロムはザッカーバーグと異なる設計思想を持っていた。むやみにユーザー数や投稿数の伸びを追い求めるのではなく、クリエイティブで美しい投稿によって「コミュニティ」が醸成されることを望んだ。
注目のコメント
昨年末の「フィナンシャルタイムズ&マッキンゼー ブック・オブ・ザ・イヤー賞」を筆頭に、各メディアの年間ベストブック賞を獲得した『インスタグラム:野望の果ての真実』。NewsPicksパブリッシングより本日発売です。
「インスタ2.0」等の特集を担当したNPの岡ゆづは記者による解説をお届けします。
(ちなみに賞を取ったから版権をとったのか?とよく訊かれるのですが、本書がまだ企画段階だった2019年春時点で取得していました。)
インスタ創業者ケビン・シストロムはなぜフェイスブックにインスタを売却したのか。なぜ広告を導入したのか。あれほど反対していたストーリーズ機能をなぜ実装したのか。そして……親会社のCEOにして最大の敵、ザッカーバーグとどう戦い、どう「敗北」したのか。
本書の軸の1つは、帯コピーにも入れた「成長(グロース)か、美意識か」だと個人的に考えています。ザッカーバーグとシストロム、正反対の志向を持つ2人の経営者の衝突は、つまるところぼくら一人ひとりが自分の中に抱えている葛藤と通じるんでは……と考えつつ本書をつくりました。みなさんはどう読まれるでしょうか。
https://www.amazon.co.jp/dp/4910063188/
【追記:著者サラ・フライヤー記者による「原書刊行後のアップデート」を公開しました。2021年9月刊行予定の原書ペーパーバック版に収録予定のテキストで、本国に先駆けての公開となります→ https://note.com/np_publishing/n/n444e9b669e61 】フライヤー氏による、インスタの経営ドラマに満ちた本書がいよいよ発売です。日本の読者の方に向けて、解説文を書かせて頂きました。
フェイスブックやインスタグラム、ツイッターなどの企業を取材していて感じるのは、「You are what you measure(何を測るかで、その人やビジネスのあり方が規定される)」ということです。
広告というビジネスモデルを採用しているからこそ、できるだけアプリ上での滞在時間を伸ばすことが求められる。
最近注目が集まっている「クリエイターエコノミー」ですが、クリエイターへの課金手数料がより大きな収入源になるなど企業が稼ぐ方法が変われば、ソーシャルメディアの設計自体も変わるかもしれません。
引き続き、取材を続けていきたいと思います。『インスタグラム:野望の果ての真実』が本日発売です!
「フィナンシャルタイムズ&マッキンゼー ブック・オブ・ザ・イヤー賞」など、年間ベストブック賞を獲得した話題の本の日本語訳。
社内でも「めちゃくちゃおもしろい」と話題です!