[東京 8日 ロイター] -

ドル/円  ユーロ/ドル  ユーロ/円

午後3時現在 110.26/28 1.1803/07 130.17/21

午前9時現在 110.62/64 1.1791/95 130.45/49

NY午後5時 110.65/68 1.1789/93 130.41/45

午後3時のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べ、ドル安/円高の110円前半。欧州中央銀行(ECB)による金融政策の戦略見通しの結果発表を控え、ユーロ/円がまず売られ、対ユーロでの円高がドル/円に波及する展開となった。

ECBは戦略見直しの結果を8日の日本時間午後8時に発表。ラガルド総裁が同午後9時30分から記者会見を行う。

ユーロ/円は高値130.52円から130.10円まで下落。市場では「欧州景気の先行き懸念が広がる中で、戦略見通しの結果が量的緩和の継続を示唆するハト派的な内容となれば、ユーロは一段と売られる公算が大きい」(外為アナリスト)との意見が出ていた。

ユーロは対ドルでも基調は弱いものの、東京市場では1.18ドル付近まで小反発した。

ドル/円はユーロ/円に連れ安となったほか、米長期金利の低下を受けて110.21円まで下落した。

米10年国債利回りは一時1.3028%まで低下し、前日NY市場終盤の1.3229%を下回った。

米10年債利回りの今後について、SMBC日興証券のチーフ為替・外為ストラテジスト、野地慎氏は、昨年8月の最低利回り0.5019%と今年3月30日の最高利回り1.7617%の61.8%戻しが1.2805%で、「昨日の1.30%割れでいったん達成感が出ても不思議はない」と言う。

ただ、2月12日と休場明けの16日の間に「窓」が開いている点が気になり、「この窓を埋めながら200日移動平均線(1.2282%)を一時割り込むようなオーバーシュートも否定しがたい」とみている。

年後半は米国の財政政策が長期金利上昇を促す可能性があるが、米国債利回りの大幅なベアスティープニングは期待しがたい、と同氏は話す。

政府は8日、新型コロナウイルス対策でまん延防止等重点措置を適用中の10都道府県と緊急事態宣言を発令中の沖縄県について、12日以降の取り扱い方針を示した。東京都については、感染再拡大を受けて昨年来4度目となる緊急事態宣言の再発令に踏み切る。

為替市場への影響は現時点で限定的。「また再発令するのか、という印象」(前出の国内銀行)との声も聞かれ、繰り返される緊急事態宣言の発令にマーケットが慣れてしまったとの見方も示された。