2021/7/9

【西岡文彦】アートを手がかりに「自分を知る」極意

NewsPicks編集部
「芸術」ではなく「高級消費財」としての美術品に注目し、生活必需品ではない商品を売るために、画家や彫刻家がどのような「戦略」を巡らせていたのかを解き明かす、『ビジネス戦略から読む美術史』(西岡文彦/新潮新書)が話題だ。
前編では、同書の内容をベースに、宗教改革などの「ディスラプション」を経て、美術界にどのような「イノベーション」が誕生したのかを紹介した。
後編では、著者の西岡文彦氏にインタビュー。30年近く前に、画期的名著『別冊宝島 絵画の読み方』を世に問い、今に連なる「名画の謎解き」ブームをつくった西岡氏自身、美術界におけるイノベーターのひとりだ。
当時と比べて、アートはずいぶん身近な存在になった。ビジネスパーソンに「アートの素養」が求められる時代にもなった。しかし、西岡氏の目には、いまだに私たちはアートとの付き合い方に迷走しているように映るという。
インタビューでは、改めて「アートの見方」の本質がどこにあるのかを西岡氏に聞いた。
INDEX
  • 美術はまだ「民主化」されていない
  • なぜ美術鑑賞は「禅問答」になるのか
  • 芸術がもたらす「受容」の感覚
  • 「好き嫌い」で美術を見るべき理由
  • 自分の「感受性」は人生のコンパス