[ソウル 5日 ロイター] - 韓国政府が、米ファイザーやモデルナなどの製薬メーカーと新型コロナウイルスのメッセンジャーRNA(mRNA)ワクチンの国内製造に向けた協議を行っており、最大10億回分の生産能力を提供する用意があるという。政府筋が明らかにした。

合意すれば、特にアジア地域で逼迫しているワクチン供給に余裕が生まれるほか、主要なワクチン製造センターの地位を築くという韓国の目標に近づくことになる。

韓国は既に、英アストラゼネカとオックスフォード大学が共同開発したワクチン、およびノババックスとロシアのワクチンの3種について、現地生産契約を結んでいる。モデルナとは瓶詰めと包装の契約も結んでいる。

韓国保健省のワクチン担当幹部は「mRNAワクチンを製造する大手企業と頻繁に協議を行っている。mRNAワクチンを製造する企業は数社しかなく、世界の需要を満たすために生産できる量には限界がある。韓国は施設と熟練した人材を提供することでその一助になりたいと考えている」と述べた。

協議の進展具合や合意時期は明らかでない。

政府筋は、mRNAワクチンをすぐに製造できる能力を持つ国内メーカーとしてハンミ・ファーマシューティカルズとキュラティスなどの名を挙げた。

ハンミ・ファーマは仏サノフィの糖尿病用治療薬向けに大規模製造能力を確保したものの計画が頓挫しており、それをコロナワクチン製造に転用できることを確認。

一方、結核ワクチンを製造するキュラティスは、昨年完成した新工場がmRNAワクチン製造に使用可能だと述べた。