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最初は、えらく大層なことを…、と思っていましたが、リサーチ・取材を進めれば進めるほど、そのポテンシャルが見えてきて、のめり込んでしまいました。天才たちがAPIとして提供するテクノロジーを、組み合わせることで、これまでは実現できなかったイノベーションにつながる。
特に今アメリカで、特に新世代のスタートアップ界隈で熱烈な支持を得ている企業は、Stripeにしろ、Twilioにしろ、Plaid、Zapierにしろ、明らかにこのAPIでのテクノロジー提供に特化した「APIファースト企業」です。
決済、コミュニケーション、物流…。これまで複雑すぎて、自分たちで構築するのはつらすぎた分野を「Abstract away(抽象化)」してシンプルなAPIとして提供することで、凄まじい成長を記録しています。
とはいえ、特集でも述べたとおり、API自体は全く新しい概念ではありません。最近、米国で盛り上がっているのは、ウェブエンジニアでも使えるWeb API(特にREST)を、サードパーティ企業が提供する(これがAPIファースト企業)ことで、その利便性から、一気にユーザー企業の支持が高まったいることが背景にあります。
特に、Twilioのジェフ・ローソンは「APIは10年前までオープンソースが担っていた役目を担っている」と発言しています。
ガチガチのテクノロジーの話となりますが、それだけ今後のテクノロジーの未来の根幹をなす重要な話であり、自らもAPIを叩きながら、できるだけ分かりやすく解説しておりますので、ぜひ御覧いただければ幸いです。
ちなみに英語で、その盛り上がりを体感したい方は以下がオススメです。
https://www.youtube.com/watch?v=uNZlk3F_N7E
https://diff.substack.com/p/stripe
https://georgian.io/the-api-economy-gold-rush/
https://www.notboring.co/p/apis-all-the-way-down
https://gisford.medium.com/the-third-party-api-economy-891b2a774fa5
99%がコモディティの技術で固められていても、残りの1%を加えることで、全体としてユニークで競争力のある商品を生み出すことが可能な時代だと思います。そういう投資、プロダクト戦略がますます重要になっていくでしょう。
技術力のあるテック企業であっても競争が激化する中では、コアと非コアを明確にして、非コアは外部に依存するというのは合理的な方針です。
APIが整備され、外部サービスと連携がしやすくなっているので、より取りやすい戦略になっています。
ただし、コア領域も他社に依存するとなると競争優位性が生み出せなくなるため、ソフトウェアサービスを事業の柱とするのならば、自社での開発も避けては通れないと認識する必要があると考えます。
開発スキルが低い「誰でも」外部サービスを利用できるようになる魔法がAPI、という印象を持つかもしれません。
そんなことはありません。
お天気APIの例をみれば、JSONなんてエンジニア以外の方は???ではないでしょうか。
「手軽」とは何か、ですね。
エンジニアがいる企業にとっては「手軽」に外部サービスを活用できます。
そうでない企業にとっては「大変」です。
世界でどのようなAPIが公開されているかを把握しており、それを適切に自社に取り込むことが出来るかは、サービス開発スピード、必要資金などに影響し、競争力そのものに作用します。
そして、それが出来ているのがこの記事に登場している企業群です。
「じゃあわが社も」と明日から出来るかというと、そんなことはありません。
システムアーキテクチャを設計できる人材は、実はマーケットにおいてものすごく少ないです。世界では大争奪戦です。
事例で日本のSW企業がほとんど登場しないのは、この人材不足にも一因があると思います。
システム開発において、ベストプラクティスであるツールを活用し、業務を合わせていく欧米のワークカルチャは、実はAPIという考え方と相性がいいです。
対する日本はどうしても「ツールのカスタマイズ」文化が強いため、元あるものを使っていくという思考が弱く、自分達に最適化するが故に外部APIを活用していくという発想も弱いです。
その結果、部品を疎結合で組み合わせていくアプローチが取れる人材層が薄いです。
APIは海外ではずっと本命でした。
日本がこれに「気づく」フェーズだとすると2周くらい遅い印象。
これを活用するためのIT人材を企業・社会がどうやって「大量生産」するかが世界の論点であり、そこに早く日本は追いつく必要があると思います。
ユーザーが触れるサービスの裏側では、ユーザーが知らない色々なサービスにAPIでつながっている。もちろんそのための対策をしているサービスもある。でも、APIで提供されているサービスも一定の信頼性を基に元々顧客に売っているし、そこを全部多重化したり、何かがあった時のバックアップを作るにはコストが多大。それをやる必要があるセキュアなサービスは、金融、あとは物流や医療などでもあろうが、特にtoCサービスは、何かが止まると機能不全になりやすい。
一方、過去のスキルとされてきたモノづくりを支える機械エンジニアは、最近供給が著しく減り、とても稀少に。ソフトウェア化する社会の中で日本はどのようなビジョンを描き、技術者を育成していくか問われる時代にはいりましたね。
漆を塗り続けて1000年。瀬戸物、プラスチックに行く道と、そこに留まり続ける道とそれぞれありますが、後者は意思がないと守れない道ですので注意したいですね。
中国もAPIエコノミーで多くの有望スタートアップを輩出しています。AlipayとWeChat Payを中心に巨大APIエコノミーが増殖しています。ところが日本は大きく遅れをとっているという状況。特に銀行の閉鎖的な環境が邪魔をしているのかもしれません。
Stripeやtwillioなどは、決済やSMSの領域で世界を変えている圧倒的な優良企業。信用情報をあつかうCheckrのようなサービスを最初に知ったときに衝撃を受けたのを明確に覚えています。
インターネットはもはや技術ではなく思想になった、というのが僕の持論ですが、SaaSやAPIも、技術というだけでなくその基盤にあるオープンな思想がここから10-20年の間で急速に普及していくと思っています。クラウドエコノミーがクリエイターエコノミーを加速していくのではないでしょうか
APIもたとえばslack連携するとかそういう事は少し知ってればエンジニアでなくてもできますよね。
動画の作成もtiktokであればなかなか高度なものがすぐに出来上がる。
そういうUXはどんどん進むので、ストーリーデザイン力が大事になると私は思う。