EUでワクチン証明の本格運用開始、デルタ株で足並みに乱れも
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トルコも含めて、地中海に観光地を抱える諸国はワクチンパスポートに大いに期待しています。
悲観派がシニカルに、昨年のように感染拡大が再来するだけだ、断じることはどうかと思います。
第一に、ワクチン接種の普及で、欧米ではコロナウイルスへの対応はコントロール可能な状況になったということ。少なくとも、当局関係者は自信を深めている。
第二に、誤解を生む表現かもしれませんが、新規感染者が多少増えても観光業にマネーを落とさないとまずいと当局関係者が一様に考えていること。観光業は宿泊飲食を中心に、裾野が広く、地域社会に与える影響が非常に強い。感染ばかりを云々言っていられない。
両方の要因が絡み合い、EUはまずは域内での移動制限を緩和したわけです。米国で州間の移動が自由になったようなものです。感染者が急増し医療が逼迫したら、またバルブが閉じるのかもしれませんが、トライ&エラーの中では、前を向いた良い取り組みであると感じます。
方や、当局関係者や報道関係者のゼロリスク志向(嗜好?)で、都内の一日の感染者数が一千人で喚いている某国は、本当にどうなのかと思います。デファクトには弱い国ですから、ワクチン接種を終えた方から、どんどん街に出たほうが良いと私は思います。記事では「ワクチン証明」となっているが、検査の証明でもいい。また、「義務ではない」という点が強調されている。ちなみみ、日本と同様、店や施設などでQRコードを通じて登録する追跡システムは、欧州でもあまり機能しなかった。
技術者視点ですとEUのデジタルCOVID証明書は技術仕様やソースコードが広く一般公開されているのが評価高いです。CommonPassとかIATA Travel Passはホント技術資料が見つからない・・・
https://ec.europa.eu/health/ehealth/covid-19_en
で、仕様に先進的で特殊な技術はどこにもなくて、とても一般的な枯れた技術で構築されています。JSON Schema、CBOR(日本人的には微妙か)、GZIP、ECDSAによる署名にQRコードです。バックエンドに至ってはSpring BootにMySQL。
というわけで、EUで先行してデジタル接種証明が運用開始する一方で日本の接種証明が紙なのは、EUのITが凄いわけでも(現場の現実としてはトホホに事欠きません)日本のITが遅れているわけでもなく、EUは切実にこれが必要でそれだけ準備と根回しに時間をかけただけのことと認識しています。
域内移動の自由はEUの根幹の一つです。しかし昨年以来東京都民が大阪を訪問するたびに自己隔離を求められるような状況が続いていました。欧州内で国境を閉じるのは皮膚感覚では日本で県境を閉じるのにも近い。
EUのデジタルCOVID証明書にはワクチン接種以外も陰性検査の結果やCOVID罹患からの回復の証明も含まれます。そして証明書により条件を満たした旅行者はCOVID対応に関してその国の住民と同じ扱いを受けます。
いわば域内移動の自由を回復するツールの一つです。出張などの往来が以前のように回復するには時間はかかりますが、ワクチン接種の進展と共に夏明けにはまた動き始めることを期待しています。