[チューリヒ 30日 ロイター] - 複数の関係筋によると、スイスの金融大手クレディ・スイスは、地域別の体制となっている富裕層向け部門を一つの国際部門に統合することを検討している。

一連の不祥事を受けた事業再編策の一環という。

関係筋によると、同行は早ければ10月にも新たな戦略を決定したい考え。

2015年に導入した地域別の体制を廃止することで、本部による管理を強化でき、コスト削減も容易になるという。

同行はコメントを控えている。

関係筋によると、クレディ・スイスの経営陣は、米投資会社アルケゴス・キャピタル・マネジメントと英グリーンシル・キャピタルを巡る不祥事を受けて、投資家から事業分割を求める声が出るのではないかと懸念。株価も下落しているため、海外企業から敵対的買収を仕掛けられるとの懸念も浮上している。

関係筋によると、富裕層向け部門を統合することで、商品を合理化できるほか、潜在的な合併相手から見て同部門の魅力が増す可能性がある。

また、統合後の国際部門と投資銀行部門の連携を強化できる可能性もあるという。投資銀行部門は起業家や超富裕層に金融サービスを提供している。