[24日 ロイター] - カナダ中西部サスカチワン州のカウエセス先住民居住区の先住民団体は24日、居住区の先住民寄宿学校の跡地から墓標のない推定751人分の墓が発掘で見つかったと発表した。

数週間前には、西部ブリティッシュコロンビア州カムループスの寄宿学校跡地で215人分の子どもの遺骨が見つかっていたが、これを大きく上回る規模。

カナダでは1831年から1996年まで差別と連邦政府によるキリスト教文化への同化政策に基づき、先住民の子ども約15万人が家族から引き離され、強制的にカトリック寄宿学校に入れられた。子供たちは栄養失調になったり、身体ないし性的虐待を受けたりしたとされる。

トルドー首相は「強い悲しみ」を表明。先住民たちに向けて「この苦痛とトラウマはカナダが責任を負わねばらない」と語った。

先住民団体の代表者は記者団に、今回発見されたうちの何人分が子どもたちの墓なのかは不明だと述べた。墓石を撤去したのは学校を運営していた教会だとし、「墓石を捨て去ることは、この国では犯罪に当たる」と糾弾した。別の先住民代表は「今回の発見は完全に単なる手始めだ」と述べた。

地元のカトリック大司教区の広報担当者によると、大司教区は2019年に、今回の学校跡地を発掘し墓を突き止めるための7万カナダドル(5万6813ドル)の資金を先住民団体に提供。同団体は今月2日に本格的な現地調査を開始していた。

カナダ政府が設置した調査委員会はこれまでに、寄宿学校に強制収容した当時の政策を「文化的ジェノサイド」とする報告書を発表している。