EU首脳会議、銀行同盟の完成を約束しつつ時期示さず=声明草案
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他国の救済に自国のコストが生じないようにしたい、つまりはそうした対立から始まったユーロ危機でしたが、危機を防ぐないしは痛みを緩和するスキームに関しても、結局は同じような対立を繰り返しています。
実にヨーロッパらしい現象です。銀行同盟の3本柱は銀行監督、破綻処理、預金保険の一元化。ECBによる銀行監督の一元化は2014年、破綻処理は2016年にスタートしています。残る難題が預金保険の一元化で、2024年までに10万ユーロを上限に預金を保護する制度を実施するとの案を2015年に欧州委が示したものの、預金保護の資金を十分持たないイタリアなどの預金者を自分たちの負担で保護することを怖れるドイツのメルケル首相等の反対で纏まらず、今日に至っているわけですね。
欧州域内の経済的統合を目指す理想と裏腹に各国が利害を巡って厳しい交渉を繰り返す欧州は、危機をバネに新たな合意を成立させてきた感なきにしもあらず。次の危機が来る前に合意できれば良いですが、さて・・・ (^^;European Council, 24-25 June 2021
https://www.consilium.europa.eu/en/meetings/european-council/2021/06/24-25/
Euro Summit, 25 June 2021
https://www.consilium.europa.eu/en/meetings/euro-summit/2021/06/25/