[ワシントン 24日 ロイター] - 米セントルイス地区連銀のブラード総裁は24日、米景気回復が今秋にも加速し、世界経済もこれに続くと予想される中、米国のインフレ率は連邦準備理事会(FRB)当局者の現時点での予想を超えて上昇する可能性があるとの見方を示した。

ブラード総裁は、セントルイス近郊のクレイトンの商工会議所向けの講演原稿で「経済活動の再開が進むにつれ、インフレ率は一段と上振れし、これまでの目標の未達分を補完してもなお余りある水準に上昇する可能性がある」とし、そうなれば、FRBが考慮しなくてはならない「新たなリスク」として台頭するとの見方を示した。

その上で、経済成長とインフレ率が予想を上回るという「大幅な」サプライズはすでに見られていると指摘。秋に学校の対面授業が再開され、他の国でも経済活動の再開が進むにつれ、インフレ率が予想を超えて上昇する「具体的なリスク」が存在しているとし、「政策担当者は今後、こうした新たなリスクを考慮する必要がある」と述べた。

ブラード総裁は18日、FRBが金融政策の引き締めを早める方向にシフトしたことについて、新型コロナウイルス禍からの回復に伴い、経済成長、特にインフレ率が予想よりも伸びていることに対する「自然な」対応であるという認識を表明。来年の利上げ開始を見込むFRB当局者の一人だったとした上で、インフレ抑制に向け利上げを「2022年終盤に開始すべき」と主張した。

この日の講演では、物価上昇を巡り一段と大きな衝撃を懸念していることが示された。

また、物価上昇の要因となっている供給面でのボトルネックは「かなり長期間」続く可能性があるとし、インフレ高進が持続するリスクがあると強調。「米国だけが再開するわけではなく、欧州や新興国も控えている」とした。