2021/6/25

【馬田隆明】「未来の実装」を成功させるための必須スキル

University of Tokyo Director
新しいテクノロジーが次々に登場する一方で、テクノロジーの「社会実装」が成功するハードルはぐっと高くなった2020年代。
必要なモノやサービスがある程度満たされた「成熟社会」では、現状を変えたいという課題感が乏しく、単に「すごい新技術が出てきた」というだけでは、なかなか受け入れられないという。
そんな時代に必要なのは、「テクノロジー」のイノベーションではなく、むしろ「社会の変え方」のイノベーションだと提言するのは、東京大学産学協創推進本部FoundXディレクターの馬田隆明氏だ。
数々のスタートアップを支援し、様々な社会実装の事例を調査・分析してきた知見から、馬田氏は、テクノロジーの社会実装が成功するポイントは「インパクト」「リスク」「ガバナンス」「センスメイキング」の4原則に集約されると話す。
とりわけ重要になるのは、優れた「インパクト(理想・ゴール)」を示し、そこに至る道筋を明らかにすることで社会を共感・納得させ、プロジェクトに巻き込んでいく「インパクト思考」だ。
こうした考え方は、新しい技術を使ったサービスの開発や運用に携わる人、ないしは職場に新しい技術を導入しようとしている人など、幅広い層のビジネスパーソンにとって「必修」となっていくだろう。
昨日の前編では、馬田氏の近著『未来を実装する』(英治出版)のエッセンスを紹介しながら、社会実装の方法論をひもといた。
この後編では、「未来の実装」に参加するビジネスパーソンが取り組むべき課題について、馬田氏に語ってもらおう。
INDEX
  • 社会を変えるための「学び」とは
  • 「行動」は最大のアドバンテージ
  • 社会への「感度」を高める極意