[ワシントン 23日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)当局者2人は23日、米国の高インフレ期間が予想以上に長引く可能性があるという考えを示した。

アトランタ地区連銀のボスティック総裁は23日、米経済が新型コロナウイルス感染拡大の影響から順調に回復する中、物価は予想より力強く上昇しているとし、FRBは2022年終盤に利上げに着手する必要があると表明。「最近の指標に予想外の上振れがあったため、個人的な見通しを前倒しした」と述べ、自身が来年の利上げを見込む当局者7人の1人であると明らかにした。

21年のインフレ率は3.4%、経済成長率は7%になり、23年に2回の25ベーシスポイントの利上げがあると予想。ただし、テーパリング(量的緩和の縮小)が完全に終わるまで利上げは待ちたいとの考えを示した。

これに先立ち、米公共ラジオ局(NPR)のインタビューでは、最近の物価上昇について「一時的といっても、当初予想していたよりも多少長くなりそうで、2─3カ月にとどまらず6─9カ月に及ぶかもしれない」と発言。米国の回復状況を評価する上で750万人の失業者を見逃してはならないとし、「この指標はわれわれ全員が注視する必要がある。性急に勝利宣言する形で政策が方向転換しないようにしなければならない」と強調した。

こうした中、FRBのボウマン理事は、経済活動の再開に伴う物価上昇が解消するには「幾分」時間がかかる可能性に言及。昨年は物価上昇が新型コロナの感染拡大で抑制されていたため、今年は前年比の伸びが上振れする可能性が指摘されているが、「このところの物価上昇は、こうした単なる数値の問題を超えている」とし、物価に対する圧力は「供給のボトルネックが解消するにつれて緩和する可能性もあるが、幾分時間がかかる」と述べた。

ボストン地区連銀のローゼングレン総裁は23日、来年にかけてインフレ率が低下し、2%をわずかに上回る水準になるとの見通しを示した。

雇用の増加が「3─4カ月」続けば、利上げに先立つ債券買い入れ縮小を検討するのに十分な雇用回復の進展が見込まれると述べた。