[ワシントン 23日 ロイター] - 米商務省が23日発表した第1・四半期の経常収支は、赤字が11.8%増の1957億ドルと2007年第1・四半期以来14年ぶりの高水準に達した。経済成長が加速する中、輸入が増加した。米国は新型コロナウイルス禍からの回復で世界経済に先行しており、経常赤字は引き続き拡大する可能性がある。市場予想は2068億ドルの赤字だった。

昨年第4・四半期の赤字額は当初発表の1885億ドルから1751億ドルに改定された。

経常赤字の規模は第1・四半期国内総生産(GDP)の3.5%に当たる。第4・四半期の3.3%から上昇し、08年第4・四半期以降で最大となった。それでも、原油や石油製品の純輸出国となったことから、05年第4・四半期に付けたピークの6.3%を下回っている。

モノの輸入は399億ドル増の6770億ドルと過去最高。コロナワクチンの接種や大規模なパンデミック(世界的大流行)対策により、経済の再開が進み、抑え込まれていた需要(ペントアップデマンド)が顕在化している。

モノの輸出は245億ドル増の4086億ドル。輸出・輸入ともほぼ全ての主要品目で増加。特に工業製品や原材料、石油製品が増加した。

サービスの輸入は18億ドル増の1202億ドル。主に海上輸送が増加した。サービスの輸出は個人旅行がけん引し、11億ドル増の1759億ドルだった。

配当や従業員報酬などを示す第1次所得収支の収入は96億ドル増の2617億ドル。直接投資収益が増加した。支出は135億ドル増の2114億ドルだった。

政府補助金や年金、罰金・違約金、海外就業者の送金を示す第2次所得収支の収入は16億ドル増の426億ドルだった。