[ニューヨーク/ロンドン/香港 22日 ロイター] - 22日の取引で暗号資産(仮想通貨)のビットコインが一時3万ドルを割り込み、5カ月ぶりの安値を付けた。その後切り返したものの、見通しは依然として下向きとの声が出ている。

中国当局によるビットコインのマイニング(採掘)取り締まり強化を受けた売りが継続し、ビットコインは米国時間に一時2万8600ドルと1月上旬以来の安値まで下落した。終盤は3.7%高の3万2802ドル。年初来では約13%高となっている。

中国人民銀行は21日、一部の銀行と決済企業に対し、仮想通貨取引の取り締まりを強化するよう指示した。仮想通貨取引の決済を直ちにできなくするよう求めたほか、仮想通貨に関連したサービスの提供を禁止した。

中国初のビットコイン取引所「BTCチャイナ」の最高経営責任者(CEO)を務めたボビー・リー氏は「今や店頭取引は基本的に違法と位置付けられた」と指摘。香港に拠点を置く仮想通貨企業、オリチャル・パートナーズのアンソニー・ウォン氏は「中国による今回の仮想通貨に対する鉄拳措置はトップから発せられているため、2017年の措置よりも深刻だ」とし、「明らかに調整相場に入った」と述べた。

デジタル資産管理を手掛けるレッジャーのバイス・プレジデント、イクバル・ガンダム氏は「暗号資産市場の基調的なファンダメンタルズは変わっておらず、調整は『起こるかどうか』ではなく『いつ起こるか』だった」と指摘。「暗号資産のように急上昇した資産は調整が予想される。新規ユーザーによるアルトコイン(ビットコイン以外の暗号資産)への投資割合が拡大しているほか、中国の状況が調整に拍車をかけている」とした。

イーサは終盤で0.8%高の1900ドル。一時1カ月ぶりの安値である1700ドルまで下落した。